現場から

コロナ禍 スマートフォンで在宅と病棟を結んだ

2020年10月9日

コロナ禍 スマートフォンで在宅と病棟を結んだ

コロナ禍 スマートフォンで在宅と病棟を結んだ

画面に映る患者さんに手をふる看護師



 友の会拡大強化月間に、新型コロナウイルスの感染予防をしながら、地域の人々と繋がっています。

 

 勤医協札幌病院3―1病棟では「月間」のとりくみとして、気になる患者さん、退院した患者さんを訪問しています。9月23日には、札幌病院に入退院を繰り返している肺がん末期の遠藤典子さん(70代・仮名)を訪ね、スマートフォンで病棟スタッフと交流しました。(西村伊久夫・県連事務局)

 遠藤さんは若いころからタバコが大好きで「どんなことがあってもタバコを吸いたい」と、入院中も自宅での生活を強く希望しています。その思いをどうするのか、遠藤さんが病棟の医師や看護師たちは何度もカンファレンスを重ねて話し合いました。
 退院後、同じアパートに住む古くからの知人に在宅生活を手伝ってもらうことにして、在宅酸素療法をしながら一人で生活できるように対応しました。しかし、しっかり生活ができているのか、看護師たちは心配していました。


退院後の様子を共有


 退院後、遠藤さんの様子をみようと訪問することにしました。「みんなで遠藤さんの元気な姿を確認したい」。そう思っても、大勢で押しかけるわけにもいきません。そこで、スマートフォンを使ってオンラインで交流することにしました。当日訪問したスタッフから送られた画面に映る遠藤さんに看護師たちが手を振って声をかけると、遠藤さんは嬉しそうに微笑みました。
 看護師の三上亜友さんさんは「遠藤さんが入院中に担当になる機会が多く、様子が気になっていました。画面越しに表情がよくみえて安心しました」と喜びます。看護師長の幌沙小里さんも「みんなが訪問に行った気分になることができました。患者さんの様子を訪問したスタッフだけでなくみんなで共有でき、アパートの階段の狭さなどもよくわかりました」と話します。病棟では今後も訪問行動をすることにしています。

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