読み物
連載 北の息吹
2019年3月14日
159 助け合うキノコ
159 助け合うキノコ
写真家 中島宏章
モノクロの写真でお見せするのが大変残念なんですが、ベニテングタケという赤くて可愛らしいキノコの紹介です。このキノコに出会ったら子どもも大人もマジマジと興味深く見入ってしまいます。
ベニテングタケは、シラカンバやトドマツの林の地面からニョキッと出ているのをよく見かけます。面白いのは、菌糸を伸ばして他の樹木の根とつながって生活をしている。お互いに足りていない栄養を補いあって共生しているというのだから驚きです。
キノコは、木の根が入り込めない狭いところに菌糸を伸ばして水分や養分を集めてくれます。木は、葉緑素のないキノコのために炭水化物などをプレゼントします。お互いの得手・不得手を理解しあって、相手のために自分の特性を生かす。なんだか、夫婦関係みたいにみえてしまうのは僕の幻想でしょうか。こんな素敵な助けあいが夫婦でできたら、なによりの幸せだと思いませんか。