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書籍紹介

2024年8月23日

異様! テレビの自衛隊連合
元テレビマンの覚書

異様! テレビの自衛隊連合
元テレビマンの覚書

 著者は日本テレビに勤務し、NNNドキュメントなどを制作してきた元テレビマン。表題に「異様!」と強調し、テレビの自衛隊迎合を深掘りする。

 2024年度、防衛費予算は前年度から1兆1277億円増となった。平和憲法の理念はどこへやら。しかし、こうした現状を日本のテレビ局は伝えない。それどころかバラエティからドラマまで、自衛隊賛美の番組が数多く流されている。

 実質的な武器輸出が進行するなど現状はますます悪化しているが、日本には戦争放棄を宣言した平和憲法がある。なのになぜ現実は逆行しているのか。憲法違反が明白な自衛隊をなぜ、公共性が強いテレビ番組がヨイショしなければいけないのか。本書はそのようなテレビの危険性を指摘し、報道姿勢や表現に問題があることを批判する。

 自衛隊内部に潜入する番組で武器が紹介されるとワイプのタレントたちが、日本製が多いことに「すごい!」と歓喜する。その映像はまさに「異様」。賑やかに自衛隊を正当化し、宣伝していいものか。

 防衛省は、トマホークミサイルを2540億で購入する一方、能登半島地震の被害に苦しむ国民は置き去りにしている。政府は現実を直視すべきだ。(亜)

【新日本出版社・1800円+税】

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