読み物

連載 北の息吹

2024年8月23日

284 ツバメ

284 ツバメ

 とある道の駅に、毎年ツバメが巣を作っています。
従業員にも大切に見守られているのでしょう。ツバメが巣をかけやすいように手作りで細工されていたり、フン害にならないように人の出入口には工夫がほどこされていました。
 タバコ休憩で外に出ていた従業員も、じっくり観察するでもなし、かといって全く無視するわけでもない、なんともいえない絶妙な距離感でツバメたちを眺めていました。その視線が実に優しくて、僕まであたたかい気持ちになりました。ツバメたちも、そんな優しい人たちがいることを分かっているのでしょう。年々、巣が増えているように思います。
 そんなツバメは世界中で縁起の良い生物とされているようです。たしかに、ツバメを温かく受け入れてくれるような場所であれば、ギスギスもせず、何事も好転していきそうです。実際、そこの道の駅のグルメはすべて美味しい!とても繁盛しています。

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