読み物
連載 北の息吹
2019年5月30日
164 イタチごっこ
164 イタチごっこ
写真家 中島宏章
草むらをゴソゴソと何かが動いた!と思って注視していたら、ヒョコッって出てきたのが、この可愛い顔のニホンイタチでした。北海道にいるニホンイタチは本州から持ち込まれた「国内移入種」。つまり、もともと北海道にはいなかった動物です。
イタチは基本的に肉食で、ネズミをよく食べます。そのため、昔はネズミ駆除のためにイタチを野に放つことがあったそうです。人間の役に立てようと勝手に連れて来られたイタチが、今度は邪魔者扱いです。ほんと、人間ってのは、時と場合でコロコロと態度を変えて、誠に勝手な生き物だと思います。
同じことの繰り返しで拉致があかないことを「イタチごっこ」と言います。1人がイタチ、もう1人がネズミになって行う子どもの手遊びが昔あったそうです。繰り返し互いの手をつねり合う遊びで、永遠に続けられることから、転じて「イタチごっこ」と言われるようになったのだとか。