読み物
連載 北の息吹
2019年7月25日
168 なわばり
168 なわばり
写真家 中島宏章
ノゴマという非常に美しい野鳥がいます。モノクロではわかりませんが、喉の部分が鮮烈な紅色をしています。またノゴマは美声の持ち主でもあります。実に気持ちの良いさえずりを披露してくれます。
みなさん、「さえずり」って何のためにするのか知っていますか? 実は、さえずりをするのはオスばかりで、目的は2つあります。1つは、メスへのアピールです。もう1つは、なわばり宣言。つまり、さえずりというのは、メスには求愛に聞こえ、オスにはけん制に聞こえるというわけなんです。写真には2羽のノゴマ(矢印)が写っていますが、ちょうどなわばりの境界線なんです。
人のフッァションも実は、ノゴマと同じ。異性に対してはアピールになり、同性に対してはけん制になるというのです。とくに一世を風靡した「ボディコン」なんてのは、それの象徴といえましょう。私の素晴らしいボディラインを見てー!ってなもんです。