読み物
連載 北の息吹
2024年11月8日
289 紅葉のしくみ
写真家 中島宏章
289 紅葉のしくみ
写真家 中島宏章
今年の紅葉は残念ながらイマイチでした。このように、その年により綺麗だったり、そうじゃなかったりする理由を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
そもそも葉が緑色なのはなぜか?それは光合成を行うための葉緑素(クロロフィル)が緑色だからです。これが秋になると、まず葉緑素が分解されます。すると葉が黄色になります。これは葉の中にもともとあったカロチノイドという成分の色が現れるからです。ここから更に変化が起こる。葉の中に残された糖が日を浴びてアントシアニンに変化します。そうすると葉が赤くなるわけです。緑→黄色→赤と変化するのですね。
紅葉が綺麗になるには、条件がいくつかあります。気温が急激に下がること、日中は晴れること、葉が色づく前に強風などで飛ばされないこと、です。
実は日本のように赤、黄、橙など複数の色が見られる紅葉は世界的に珍しいそうです。来年に期待しましょう!