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書籍紹介
2025年1月1日
日の名残り
カズオ・イシグロ 著
日の名残り
カズオ・イシグロ 著
著者のカズオ・イシグロは、1954年に長崎で生まれ、60年に長崎からイギリスへ、家族と一緒に渡りました。89年に発表した『日の名残り』でイギリスの文学賞であるブッカー賞を受賞。2017年にはノーベル文学賞を受賞しました。
イギリスのある館で執事を務める主人公が、新しい主人に勧められて車でイギリスを旅します。旅の最終目的は、かつての同僚である女中頭に会うことです。さまざまな出来事に思いを馳せながら、旅は進みます。執事としての輝かしい時代や、同じく執事であった父のこと、いっしょに働いて淡い想いを抱いた女中頭のこと、そして長年仕えてきた主人のこと。やがて旅は女中頭との再会の地へ。2つの対戦があり、さまざまな変化のあった大英帝国と、その渦に巻き込まれた主人を執事の目線で描きながら、彼の恋や想いを違和感なく描いています。
カズオ・イシグロの「日の名残り」を借りたときは、長編小説だけあって分厚くて、読むまでに勇気が必要でしたが、読み始めると物語の世界に引き込まれてしまいました。(真)