読み物
連載 北の息吹
2025年2月28日
295 黒い狐
295 黒い狐
写真家 中島宏章
とある場所を車で通りかかると、突然!黒い動物が目の前を横切りました。野犬か?と思ったその正体は、なんとも珍しい、全身が黒いキタキツネだったのです。
僕は北海道に生まれて40年近く自然に親しんできて、大人になってからは毎日のように野山で動物探しをしていますが、このように真っ黒いキツネを目撃したのは初めてでした。根拠はありませんが感覚的には0・1%〜0・2%くらいの確率ではないか?と思います。つまりキツネを500回〜1000回見て初めて出会うということです。
アイヌの伝承でも黒いキツネは非常に珍しく、良くも悪くも特別なパワーを持っていると見なされていたようです。
ある伝承では危険を知らせてくれる使者として、また別な伝承では不吉な存在として扱われています。いずれにせよ黒いキツネには、なにか人を惹きつける魅力がありますね。