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書籍紹介

2025年3月28日

わたしが正義について語るなら
やなせたかし 著

わたしが正義について語るなら
やなせたかし 著

 3月31日からNHK連続テレビ小説「あんぱん」が始まる。国民的ヒーロー「アンパンマン」の作者、2013年に94歳でこの世を去ったやなせたかしさんの人生をもとにするという。

 やなせさんは大学卒業後、製薬会社に就職したが、1941年に徴兵された。

 中国に出征したときの経験をこう綴っている。「人間は、食べものがない辛さには耐えられない」「まず、飢えた子どもを助けることが大事。それが戦争を体験して感じた一番大きなこと」。そして、食べること、分け合うことの大切さは戦争のない平和な世界へつながるという考えに至った。

 「聖戦」として天皇のために忠義を尽くしたが、負けると軍国主義から民主主義へと変わった。そのとき、「正義というのはあやふやなもの」「正義のための戦いなんてどこにもない」と感じた。

 やなせさんの思いは、「アンパンマンのマーチ」の歌の中にあるという。「♪愛と勇気だけが友だちだ」アンパンマンは友情を大切にして、命がけでたたかう時は一人でたたかい、誰かの協力をアテにしない、巻き込まない。そして、お腹が減っている人がいたら、自らの頭を食べさせて助ける。

 NHKの「あんぱん」を観て、正義や平和について考えたい。(八)【ポプラ新書・797円+税】

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