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書籍紹介

2025年6月13日

管理職3年目までに「会社の数字」に強くなる!
会計思考トレーニング
金子 智朗 著

管理職3年目までに「会社の数字」に強くなる!
会計思考トレーニング
金子 智朗 著

 「1枚の売価800円、原価600円のピザを落として作り直した時、損失はいくらか? ※原価の内訳:材料費300円、人件費200円、固定経費100円」。本書の表紙に問題が書かれていたので興味をもって手に取った。書店でしばらく考え込んでしまった。そして導き出した答えに自信をもって、答えのページをめくる。ハズレ。しかも「よくある間違い」だと指摘された。

 本書の冒頭、管理会計についての考え方が書いてある。「管理会計で重要なことは、数字を使ってどうロジカルに考えるかということであり、それが戦略立案につながる管理職にとっての会計思考だ」。その会計思考を学ぶトレーニングの一つが表紙のピザの問題だった。

 様々な設問に悩みながら読み進めた。「前例・しがらみ・勘などに基づいた意思決定ではなく、数学で記述されたものを理解する力が重要である」と、管理者が身に付けるべき管理会計について著者は思いを綴る。この一言に、自分が経験則に偏重気味になっていたのではないかと気づかされた。いま私たちが必死になってとりくんでいる経営改善に向けて、その思考のヒントになるかもしれない一冊。(斉)【PHPビジネス新書・1000円+税】

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