読み物
書籍紹介
2025年10月24日
犬が伝えたかったこと
三浦健太 著
犬が伝えたかったこと
三浦健太 著
長年ドッグライフ・カウンセラーとして活動する著者が、犬と飼い主の実際のエピソード20編を綴った一冊です。犬たちは飼い主を選ぶことはできません。それでも与えられた環境の中で、まっすぐに愛を注ぎ、支えようとします。
印象に残ったエピソードを3つ紹介します。
1つ目の「犬は毎日ずっと同じがいい」では、変わらない日常を共に過ごすことが犬にとっての安心につながり、信頼を育む時間であると語られます。
2つ目の「ちゃんと、守ってくれますか?」では、犬が飼い主を信じ、飼い主が犬を守ろうとする姿が描かれ、互いの深い絆が伝わります。
3つ目の「最愛の犬との別れ」では、病気で動けなくなった犬が、目だけで飼い主を見つめ、わずかにしっぽを振る。その背中をそっと撫でる飼い主――その静かな瞬間に、言葉を超えた感謝と愛が込められています。
この本に登場する犬たちは、最後まで相手を信じ抜く姿を通して、「ともに生きる」ことの意味を問いかけます。いま犬と暮らしている人はもちろん、かつて一緒に過ごした人、これから迎えようとする人にも心に響く一冊です。(八)【サンクチュアリ出版・1430円】