読み物
連載 北の息吹
2025年11月14日
第301回 貯蓄行動
写真家 中島宏章
第301回 貯蓄行動
写真家 中島宏章
世の中は異常な物価高。なのに給料は据え置き。まさに冬の時代と言えましょう。
では野生動物たちは文字通りの「冬」をどのように生き抜くのか?その1つの知恵に「貯食」があります。
食いだめ、ではありません。食料を蓄えておくのです。写真はカケスが栗の実をせっせと運んでいるところです。
カケスはこの栗の実を地面とか木の隙間とかに隠しておいて、あとで食べるのです。これが貯食です。
カケスを見ていると、栗の実をくわえては、大きな川を挟んで山と山の間を何度も行き来している。体力的に大変でしょうし、えっちらおっちら飛んでいたら外敵に襲われるリスクもある。はたして貯食をすることが本当にメリットになっているのでしょうか?
私たち人間社会においても、「地面に落ちている1円玉を拾う時の消費カロリーは、1円を上回るから損する」と昔は言われていましたが、物価高の今はどうなんでしょう?