読み物

北の息吹

2025年12月12日

第303回 鳩はいない?

第303回 鳩はいない?

写真家 中島宏章

 とある喫茶店で偶然出会ったカナダの方とお話ししました。「アオバト(青鳩)って綺麗ですからねえ」という僕の発言に、その方が「青いコウモリがいるのですか?」と言われて、僕は「??」となってしまいました。「だって今、バット(BAT)と、おっしゃいましたよね」と言われて笑ってしまいました。

 「BAT(コウモリ)じゃなくて、鳩のことですよ」という僕の発言に、カナダの方も「???」。

 つまり日本語では、キジバト、アオバト、レースバト、という風に、ハトでありながらバトになっている(これを連濁という)。

 驚いたことに、カニ、セミ、サメ、カメ、サル、タコ、タイ、カエルにクマ。連濁には枚挙にいとまがありません。ヒグマにツキノワグマにアライグマ……。でもシロクマだけは、クマですね。あ、そうそう、時計もそうですね。目覚ましどけい、腕どけいに鳩どけい。例えば「アオバトの鳩どけい」なんて、外国の方にどのくらい通じるでしょうか?

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