読み物

北の息吹

2026年2月13日

第306回 発電所の今と

第306回 発電所の今と

写真家 中島宏章


 レンガ造りの非常に趣あるこの建造物は、なんと大昔の発電所跡です。

 稚内市声問にある、道北で最古の発電所「旧秋田木材発電所」です。

 1913年(大正2年)に建築され、実際に稚内市街へ送電もしていたようです。木材を製造する際に出る木くずを原料とした火力発電所は、100年以上前の当時としては画期的だったことでしょう。

 そして、この写真の奥に見えるのは、現在、各地で乱立している風力発電タービン群です。この風景を眺めていると、100年で随分様変わりしたことを受け止めざるを得ません。

 でも、ふと僕は思います。

昔の火力だろうが、最新の風力だろうが、結局はタービンを回して電磁石でもって発電をしていることには、変わりがないんだよなぁと。案外、人間って進歩していない?

 きっと、「前に前に」と急いで進歩することよりも、深くじっくり歩む「深歩」も必要なのかなと考えさせられました。



読み物連載:北の息吹