現場から

「必ず酸素をつけてね」

2025年8月22日

道東・桜ヶ岡医院 自作の顔写真入りキーホルダーで患者さんを応援

道東・桜ヶ岡医院 自作の顔写真入りキーホルダーで患者さんを応援

小さな贈り物が大きな安心に

 道東勤医協桜ヶ岡医院の事務職員たちが在宅酸素療法を始めた患者さんのために、職員の顔写真入りキーホルダーを作り、「必ず酸素をつけてくださいね」とメッセージを添えてプレゼントしました。患者さんは喜んで酸素ボンベに取り付けました。(渋谷真樹・県連事務局)

 呼吸器疾患のため在宅酸素療法を導入した井ノ原真一さん(仮名・80代)は、常時酸素が必要ですが、慣れていないためか自宅やデイサービス利用時に外してしまうことがあります。心配した家族や医師から相談を受けた事務職員は、長年友の会役員として医院を支えてきた井ノ原さんのために、酸素ボンベにつけるキーホルダーを作ることにしました。「井ノ原さんが大好きな桜ヶ岡からのメッセージなら、きっと届くはず」との思いから生まれたアイデアです。

 キーホルダーを手渡すと、井ノ原さんは笑顔で「こんなの初めて。本当にうれしい」と、その場で装着。後日来院した際には「何かお礼がしたい」と言うほど感激していました。入職3年目の中根沙耶香さん(事務)は「こんなに喜んでもらえるとは思わなかった。本当に作ってよかった」と笑顔を見せます。

 このとりくみを全日本民医連の事務職員実践交流集会で発表すると高い評価を受け、全国から「心が温まる」「うちもやってみたい」と反響が寄せられました。地域の友の会員にも紹介すると、「桜ヶ岡のみなさんは頑張っていますね」と励ましの声が届きました。

 中根さんは「すべての患者さんに同じことをするのは難しいけれど、カンファレンスを通して患者さんの思いに気づき、できることを形にしていきたい」と話します。鈴木誠事務長も「応援してもらうたびに嬉しくて、また頑張ろうという気持ちになります。職員同士で話し合いながら、地域や患者さんのためになることをやろうという構えを持っている職場です。この雰囲気を大切にしていきたい」と話します。

現場医療地域・友の会