現場から
「優しさ」を忘れない
井上 ゆきな さん
道南勤医協で研修
井上 ゆきな さん
道南勤医協で研修
今春、14人の新卒医師が北海道民医連で初期研修を始めました。関東の病院で2年間、看護師として働いていた井上ゆきなさんは、患者さんと関わる中で「自分で診断や治療ができるようになりたい」と思うようになり、医大で学びなおし、医師として道南勤医協に赴任しました。
「都心の急性期医療だけでなく、地域の慢性期医療も学びたい」と、函館稜北病院から研修をスタートした井上さん。最初の一週間は、さまざまなセクションをまわりました。
入院病棟では看護主任から説明を受けながら、採血や体位交換、食事介助などを見学しました。
「スタッフのゆとりのある態度や話し方、優しさは、医療者にとって欠かせないものだと改めて思いました。これから仕事を続けるうえで、絶対に忘れてはいけないと思います」
地域連携室では、「多職種連携」「地域連携」について学びました。医師だけでなく、看護師、技師などがそれぞれ気づいたことを記録し、患者さんの情報を共有しています。
「多職種の視点からみると、患者さんの生活背景が立体的にみえるようになりますね。『多職種連携』の意義がよくわかりました。この一週間を通して最も勉強になったことは、『患者さんと関わるスタッフの姿勢』です。患者さんの病気だけでなく、生活背景もまるごとみようとスタッフがチームで関わっていることが分かりました。本当にすごいと思います」
看護師として働いていた井上さんは、看護師の思いや不安がわかります。その経験も大きな力になります。
「看護師の頃は患者さんの治療方針が分からず、不安になることもありました。そんなときに医師から説明してもらうと、本当に嬉しかった。その気持ちを忘れず、看護師やコメディカルの方とたくさんコミュニケーションをとっていきたい。まずは医師としての基本をしっかり学んでいきたいと思います」