現場から

チームの力で支え合い いのちを守る救急医療

2026年1月1日

道北勤医協 一条通病院
「いのちの砦」救急ベッド

道北勤医協 一条通病院
「いのちの砦」救急ベッド

救急患者を受け入るため奮闘する職員

 旭川市の高齢化率は35%に達し、急変する患者のための救急医療が求められています。しかし、医療体制は全国的にも不足しています。道北勤医協では、「地域の人のいのちを守りたい」と、職員がお互いに助け合い、地域の救急医療を支えています。(渋谷真樹・県連事務局)


 道北勤医協・一条通病院の外来処置室にある1台のベッドは、地域医療を支える大切な「いのちの砦」です。24時間365日、救急患者を受け入れています。

 特にコロナ禍では、発熱患者を受け入れる病院が少なく、救急搬送の際に隊員から手渡される「引き継ぎ書」には、何件もの病院から受け入れを断られた記録が残っていました。「受け入れていただき、ありがとうございます」と書き添えられることもありました。

 一条通病院の救急外来を利用する患者の多くは、道北勤医協の各院所に通院している方や、高齢者施設の利用者・入所者です。深夜・早朝を問わず、体調が悪化したときの「かかりつけ病院」として頼りにされ、地域包括支援センターやケアマネジャーからの相談も絶えません。

 身寄りのない方、保険証のない方など、他院での受け入れが困難なケースも受け入れています。



 救急外来(歩行受診を含む)には月に65人を超える患者が来院。夜間は当直医と看護師で対応し、日中は救急担当職員が交代で診療にあたっています。救急受け入れが重なる時にはお互いが協力してみんなで体制を支えています。

 これとは別に、内科・整形外科・小児科の旭川市内の休日夜間救急診療(当番病院)を月6~7回担っています。休日の小児科全日当番病院となった11月2日には、151人が来院し、医師1人、看護師3人で動線を工夫して対応しました。

 小児科医は当番準夜帯に市内のセンター病院へと通い、地域医療を支えています。



 岡田怜医師は、「かかりつけの方を中心に、高次医療機関での受け入れが難しい患者さんをできる限り受け入れることで地域医療に貢献していると思います」と話します。

 外来看護師長の坂本亜由美さんは、「長年地域の人々に支えられ、在宅療養支援病院として医療活動を行ってきました。厳しい状況でも『ここで診てもらえて良かった』という言葉が励みです」と語ります。

 看護師の坂本明美さん、西谷あけみさんは、「人間関係が良いから頑張ることができます。何でも言い合える雰囲気で、大変だけど働きやすい」と口を揃えます。看護主任の坂牧由美子さんも「柔軟な体制で他部署の応援に入ることも多いけれど、壁がなくて医師にも相談しやすい。チームで動ける職場なので助かっています」と、職場の連携力を強調します。



 昨年、創設50周年を迎えた道北勤医協。救急当番制が確立される以前から夜間診療を続け、救急告示病院として地域に貢献してきました。また内科、整形外科、小児科のそれぞれの分野で長年、市内当番病院の輪番に参加してきた功績が認められました。その結果、11月には北海道知事から「地域医療功労者」として表彰されました。

 田代民央事務長は、「厳しい経営の中でも職員の奮闘と友の会からの励ましに支えられています。これからも信頼される病院をめざしたい」と決意を新たにしています。

 外来の片隅にある「1台のベッド」を守るため、これからも職員たちの手によって「寄り添う医療」が繋がれていきます。


現場医療地域・友の会