現場から
除排雪が命に直結
居宅・介護施設から悲鳴
記録的積雪で介護現場に深刻な影響
勤医協北在宅総合センター
居宅・介護施設から悲鳴
記録的積雪で介護現場に深刻な影響
勤医協北在宅総合センター
札幌市では1月25日以降、断続的な大雪に見舞われました。とくに北区・東区では積雪1メートルを超えています。この影響により、在宅医療・介護の現場で送迎や訪問が困難となり、サービスの制限や休止を余儀なくされています。除排雪の遅れが利用者の生活だけでなく、「命の危険」に直結する深刻な事態になっています。(渋谷真樹・県連事務局)
とくに26日は、市内全域で大規模な交通渋滞が発生。通常30分で済む通勤に3時間を要するなど、出勤が遅れる職員が相次ぎました。多くの事業所を抱える勤医協北在宅総合センターでは、積雪により利用者宅への訪問が困難となり、業務を制限せざるをえなくなりました。また、連日のように施設周辺の除雪作業に追われ、本来の業務以外での負担が増えています。
訪問看護ステーションでは、体調確認や薬の補充など、緊急性の高い患者さんに限定して対応しました。訪問の延期を電話でお願いすると、「この雪じゃ仕方ないわね」と理解の声が寄せられたといいます。
大規模な渋滞によって訪問予定時間が大幅に遅れるだけでなく、目的地に到着しても車を止めるスペースがありません。駐車できる所に停めて、そこから徒歩で数十分かけて利用者宅へ向かうこともあります。複数の看護師を1台の車に乗せて送迎するなど工夫していますが、職員には「訪問に行けない、遅れてしまう」という葛藤や、長時間の運転・歩行による疲労が蓄積しています。
デイサービスでも影響が出ています。一部の事業所では休止を余儀なくされ、併設のデイサービス大笑(一日の平均利用者数16人)で26日に利用できたのは、併設施設に住む5人のほか、地域の方は1人だけでした。翌日から通常営業を再開しましたが、渋滞や送迎車の駐車場所確保などの課題は解消していません。
大雪は、利用者の暮らしに打撃を与えています。高齢者世帯では重労働の除雪作業ができず、訪問しても玄関までたどり着けない住宅もあります。その場合は看護師が除雪を行い、通路を確保することもあります。
また、外出にも大きな危険がともないます。買い物のためタクシーを利用した80代の女性は、雪のため自宅前まで車が入れず、往復約200mもの距離を雪の中歩かなければなりませんでした。
住宅街は積雪により車1台通るのがやっとの状況。路面は4WD車ですらスタックするほどザクザクに荒れており、転倒や事故の危険と隣り合わせの生活が続いています。
この状況が続けば、在宅サービスが難しくなります。北在宅センターでは利用者への事前連絡体制を強化しています。 勤医協きた居宅介護支援事業所の管理者・太田口亮太さんは、「私たちの業務に影響が出るだけでなく、救急車や消防車の到着が遅れれば命に関わります。独居高齢者の孤立死の心配もあります。年々、除雪が追いついていないと感じます。市は災害級の雪への備えや、除雪体制を抜本的に改善してほしい」と訴えます。