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「生まれてきて良かった」と思いたい

2024年9月13日

「新・人間裁判」控訴審が結審 3月18日に判決へ

「新・人間裁判」控訴審が結審 3月18日に判決へ

 9月5日、生活保護基準の引き下げの中止を求める「新・人間裁判」の控訴審第6回口頭弁論が札幌高裁でおこなわれ、裁判所前の集会に原告や弁護団、支援者など約130人が参加しました。


 裁判では原告たちや弁護団、被控訴人など5人が意見陳述をしました。原告の菊池繭美さんは、「病気により働けなくなり、生活保護を利用してなんとか生活できるようになったが、保護費の引き下げによって生活が困窮している」と実態を告発しました。渡辺達生弁護団事務局長は、被控訴人による生活保護基準改定の適法性について指摘。西博和弁護士は裁判の大きな争点となっているデフレ調整の問題を指摘しました。


 内田信也弁護団長は次のように陳述し、生活保護利用者の実態をふまえた原告勝訴の判決を裁判長に求めました。

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 私たちは原告たちの思いをわかっていただこうと、多くの書面を提出しました。その結果、全国の地裁判決で17件の勝訴判決、11件の敗訴判決となっています。

 どの訴訟も原告の主張や証拠は同様です。しかし、貧困の実態を知ろうとする真摯な態度と、人の苦しみに共感する感性・想像力は裁判官によって異なります。札幌地裁の判決は原告の現状に理解を示す一方、「酒、たばこなどの支出がある者もいる」「新聞を講読したりカラオケに行く者もいる」として、最低限度の水準を下回っているとは認められないとしています。

 原告たちは、「もっと保護費が欲しい」と求めているわけではありません。「生まれてきてよかったな」と思える生活を願い、「減らさないでほしい」と求めているのです。しかし、日本の生活保護制度の実態は、優しくないどころか、実に冷たいのです。だからこそ原告たちは立ち上がりました。
 法理論的には、デフレ調整と歪み調整の虚構性・欺瞞性をあますところなく明らかにし、国側の主張を完全に論破した自信があります。札幌地裁の誤りを正し、すっきりとした勝訴判決をいただきたい。10年間で何人もの仲間が亡くなりました。負けるわけにはいかないのです。

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 被告弁護人も陳述しましたが、原告の生活実態については一切言及しませんでした。

 裁判後におこなわれた報告集会で、弁護団が裁判の内容を報告。公正な裁判を求める署名など今後のとりくみを確認しました。裁判は結審となり、来年の3月18日に判決が出されます。

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