ムーヴメント
大規模な復興支援を
勤医協札幌看護専門学校 事務長 田沢裕一さん
石川民医連地震対策本部支援へ
勤医協札幌看護専門学校 事務長 田沢裕一さん
石川民医連地震対策本部支援へ
1月1日、石川県能登半島を巨大地震が襲い、多くの住民が今も避難生活を続けています。生活再建に向けて奮闘する中、9月には集中豪雨が発生し、さらなる被害が加わりました。全国の民医連職員が現地に駆けつけ、支援活動にとりくんでいます。10月14~19日にかけて、石川民医連の支援活動に参加した勤医協看護専門学校の田沢裕一事務長の報告を紹介します。
私は今回、石川民医連の後方支援活動に参加しました。被災地に直接入るのではなく、地震対策本部での実務を担当し、現地の職員が被災者支援活動や被災地訪問のとりくみに専念できるようサポートしました。
具体的には、地元新聞をチェックして震災関連ニュースをまとめ、対策本部のメンバーに報告。また、ニュースを作成し、関連データを整理・分析作業をしました。さらに、城北病院の医局や看護部門の朝会に参加して、現地のスタッフと情報共有を図りました。短期間の支援活動でしたが、北海道からの援助に対して「遠方から来てくれてありがとう」と、あたたかい歓迎を受けました。
地震発生から10ヵ月が経過した今も230人が避難生活を余儀なくされています。住宅被害は全壊したものが約6千戸、総被害は8万戸を超えていますが、仮設住宅の建設が追いついていません。被災地を豪雨が襲い、とくに被害が大きかった輪島市では下水設備が破損し、いまだに入浴ができない施設もあります。
被災者の医療費負担の減免措置は9月末で終了すると告知されましたが、住民の反対運動により12月まで延長されました。石川民医連の職員は「その後の延長も県議会に請願したが、共産党以外の議員の反対で否決された。知事は国の指示待ちだと言っている。より大きな運動が必要だ」と、政治や行政の対応に怒っていました。
また、地元の新聞では、今回の総選挙に対する批判が目立ちました。被災地支援に全力を注ぐべき時に、党利党略による解散総選挙がおこなわれることに対する不満が大きいようです。被災者支援に追われる自治体職員が選挙の準備に疲弊しており、避難所として使われている学校や公民館が投票所として使用できず、投票所が4割ほど減少している自治体もあります。他県に避難している住民も多く、選挙できる状態ではないとの声が上がっています。
石川民医連は被災者への聞き取りアンケートを実施し、住民の声を反映させるとりくみをすすめています。豪雨災害時には、短期間で300人を超える民医連職員が被災地に入り、泥出し作業などのボランティア活動に参加しました。さらに、全国の支援を得て大規模な被災地訪問にとりくみ、被災者の実情を明らかにして県議会に働きかける準備をすすめています。
石川勤医協の西村昭郎専務に内灘町の被災地を案内していただきました。傾いた道路や反り返った家屋を目の当たりにして、地震の凄まじさを実感しました。大規模な復興には長期間の支援と政治を変えることが必要だと強く感じました。
石川民医連の事務局の方と「民医連は困難な時には全国からすぐに駆けつけてくれる。本当に素晴らしい組織だ」と話し合い、誇りを感じました。今回の支援活動を通じて、民医連の強さと事務局機能の重要性をあらためて学ぶ機会となりました。