ムーヴメント
誇りをもって働きたい
11月11日介護の日 介護職員が制度改善を訴え
札幌駅前でスピーチ集会
11月11日介護の日 介護職員が制度改善を訴え
札幌駅前でスピーチ集会
11月10日には、「介護される人もする人もみんな笑顔に!北海道連絡会(介護に笑顔を!道連絡会)」が、JR札幌駅南口広場で介護スピーチ集会を開催。介護事業所の職員など120人が参加しました。
代表の太田眞智子さん(勤医協福祉会)は、「介護保険制度が開始されて25年近く経つ中で、制度の本来の目的から逸脱し、利用制限や負担増がすすんでいる」と指摘し、制度の改善を訴えました。
同連絡会は今年7月から8月にかけて、道内の全訪問介護事業所(1712事業所)を対象に「訪問介護報酬引き下げの影響調査」を実施しました。その結果、「地域に利用者はいるが、事業が継続できない」「利用者の生活を支える仕事に誇りを持っているが、この報酬では続けられない」「事業所が国から必要とされていないと感じる」といった声が集まりました。同会は、これらの現場の声や実態を自治体や国に届け、制度改善を求める運動を呼びかけています。
介護現場で働く五十嵐修平さんは、「一人ひとりの人生に寄り添い、考えていく介護の仕事にとてもやりがいを感じています。これからもずっと社会に必要とされる職業です。子どもが介護の仕事に興味を持ったらどうか支援してください」と介護の魅力を語りました。
集会で訪問介護事業に携わる藤井真希子さんは、「訪問介護は、高齢者や障害者が自宅での生活を続けるための最後の砦です。自宅で家族といっしょに過ごしたいという利用者の願いを支えたいが、ヘルパーの人員不足や高齢化が深刻で、実現が難しい」と訴えました。
介護と認知症のなんでも電話相談会
6人から切実な声
11日には、「介護・認知症なんでも無料電話相談」も実施されました。6人から相談が寄せられ、ケアマネジャーなどの専門職が対応しました。
90代の母親を1人で介護している70代の息子さんは、「母親の認知症の周辺症状が進行し、ショートステイを探しているが、夜間の移動を理由に受け入れてもらえない」と困難な状況を訴えました。
また、60代の女性からは、「遠方で暮らす90代の義母が室内で転倒して骨折し、入院した。入院中にも再び転倒して大腿骨を骨折し、その結果足腰の筋力が大幅に低下。さらに腎機能の低下もあり、経済的にも苦しい」と深刻な相談が寄せられました。
そのほか、「認知症の診断を受けさせたいが、適切な医療機関を教えてほしい」(70代男性)といった相談もありました。これらの事例から、お金の心配をせずに必要な介護を受けられる保健福祉制度の充実が強く求められています。