ムーヴメント

核なき世界に向けて 希望の光に

2025年1月1日

日本被団協にノーベル平和賞授与

日本被団協にノーベル平和賞授与

北海道ノーモア・ヒバクシャ会館(札幌市白石区)

 12月10日、日本被団協にノーベル平和賞が授与されました。被爆者が自らの被爆体験を世界に伝え、核兵器使用の非人道性を明確にして、国際規範として定着させた点が評価されました。北海道被爆者協会事務局次長の北明きため邦雄さんに思いを寄せていただきました。


 いままで何度かノーベル平和賞受賞の期待を抱く時期がありましたが、いずれも「肩透かし」でした。もうないだろうと思っていたところに、突然のニュースです。草の根の運動団体に授与されるのは珍しいことです。「最北の被団協」北海道被爆者協会にも祝電やお祝いのメッセージが寄せられました。北海道被爆者協会は、会館壁面に「核兵器も戦争もない世界を、ともに」と看板を掲げました。


 ノーベル委員会フリードネス委員長のスピーチは感動的です。「2025年、より不安定な核時代を迎えようとしています。現在進行中の戦争では、核兵器を使用するという脅迫が公然とかつ、繰り返しおこなわれています。核兵器の影が世界を覆っていることを認識しなければなりませんが、私たちは本日、希望の精神をもってここに集いました。なぜなら、一筋の光があるからです。1945年以来、核兵器が使われていないことです」。

 日本被団協の田中煕巳代表委員の受賞演説もまた力強く、多くの人々の心を動かしました。「核のタブーが壊されようとしていることに、限りない悔しさと憤りを覚える」。そして、原稿にはなかった発言として、原爆の犠牲者に国家補償がされていないことに言及し、国のため犠牲になっても我慢せよという「戦争被害受忍論」を批判したのです。

 国際政治学者の三牧聖子氏は、「国家に戦争の責任をとらせることは、未来に同様のことを起こさせないための重要な防波堤になる」とのべています。

 北海道被爆者協会は高齢化のため、この3月に組織としては終止符を打ちますが、その後は、被爆者、被爆二世、支援者が北海道被爆者連絡センターを作ってとりくみを継続します。


 廣田凱則会長は、次のように談話をのべています。

 「被爆80年を前に、世界的に意義ある賞が授与されたことはまことに喜ばしい。長年にわたる先輩被爆者たちの努力とそれを支えてくださった多くの仲間のみなさんのおかげです。核戦争のリスクは、1962年のキューバ危機以来ともいわれます。私たちはこれを機に、政府に核禁条約への参加を迫り、核兵器のない世界に向かってさらに努力していきたいと思います」。

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