ムーヴメント
運動から30年「保健でよい歯科医療を」
2025年1月1日
勤医協歯科 これまでの歩み これからの課題
勤医協歯科 これまでの歩み これからの課題
「保険でより良い歯科医療を」運動が始まって30年。運動の意義や現在の課題について、勤医協ふしこ歯科診療所事務長の平岡拓也さんが報告します。
1992年にNHKで「噛めない、話せない、笑えない入れ歯の話」は、診療報酬の低さが原因で満足のいく入れ歯を作ることが困難な現状を特集した番組でした。これをきっかけに、「保険で良い入れ歯」の実現を求める運動が始まり、その後、「保険でより良い歯科医療の実現を求める」運動として請願署名などにとりくんでいます。
請願項目は、①お金の心配をせず、安心して歯科医療が受けられるよう、窓口負担割合を下げてください。②健康保険で受けられる歯科治療の範囲を広げてください。③歯科医療の充実に必要な国の予算を大幅に増やしてくださいの3つ。ここに私たちの願いが集約されています。
全日本民医連歯科部では、全国の困難事例をまとめた「歯科酷書」を第4弾まで発行。貧困の連鎖や経済的理由で口腔崩壊へ至った事例を紹介しています。
以前は「白い歯」を被せるためには自由診療以外に選択肢はありませんでした。しかし現在は一部条件付きですが、保険適用で白い歯を被せることが可能になりました。
また、医療介護の現場と同様に、歯科も深刻な人手不足に悩んでいます。歯科医師、歯科衛生士だけでなく、歯科技工士の養成学校が閉校、または定員割れになるなど、その存在が危ぶまれています。歯科技工士との連携加算が新設されましたが診療報酬が低く、低賃金は改善されていません。
誰もが安心して歯科医療を受けられるためには、署名に掲げている請願項目が実現されることが必須です。
私たちはこれらの課題解決に向けて学び合い、とりくみを前進させていきたいと思います。