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イスラエルは暴力をやめよ

2025年2月14日

北海道パレスチナ医療奉仕団 帰国報告会
1ヵ月間で10施設・350人を診察

北海道パレスチナ医療奉仕団 帰国報告会
1ヵ月間で10施設・350人を診察

 北海道パレスチナ医療奉仕団は、昨年11月24日から12月24日までの約1ヵ月間、パレスチナのヨルダン川西岸地区を中心に医療・子ども支援活動を行いました。2月1日に札幌市内で約90人(オンライン参加70人)が集まり、帰国報告会が開催されました。


 第16次となる今回の活動には、北海道から医療奉仕団の猫塚義夫団長(勤医協札幌病院・医師)をはじめ、もみじ台歯科診療所・事務員(当時)の石崎龍之介さん、勤医協札幌病院・作業療法士の菅原拓馬さんが参加しました。現地のスタッフとともに、シュファット難民キャンプなど10カ所で診療しました。

 病院や教会で約350人の診察・検査、リハビリを行った猫塚医師は、その様子や病気の事例を写真とともに紹介。また、イスラエル軍と入植者による暴力により、子どもを含む800人のパレスチナ人が虐殺され、1万人が逮捕・拘束されている現状を報告。「パレスチナの市民はイスラエル軍に殴られても抵抗できない。もし抵抗すれば拘束・尋問される。ジェノサイドから民族絶滅へと進み、イスラエルはパレスチナに帝国をつくろうとしているようだ」と語りました。

 また、イスラエル政府がUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の活動を禁止する国会決議を採択したことに対し、その撤回を求める意見書を札幌市議会に提出したことを報告。「多くの人がパレスチナに関心を持ち、世論の力で解決に向かうことが必要」と訴えました。


 勤医協札幌病院・作業療法士の菅原拓馬さんは、「日本とは何もかもが違っていた。すぐ近くで爆撃があり、煙で喉がヒリヒリして、とても怖かった」と報告。一方で子どもたちとふれあい、笑顔を見られたことが印象的だとのべました。

 ヨルダンの首都アンマンからオンラインで参加したUNRWA保険局長・医師の清田明宏さんは、ヨルダン川西岸地区が入植者によって破壊されている現状を報告しました。

 鹿児島医療生協・医師の堀部碧さんは、医療支援のためにパレスチナに向かいましたが、テルアビブ空港で入国を拒否され、強制帰国させられました。入国審査のため長時間自由を奪われた経験を語り、「人種や思想に基づく差別が露骨に行われ、精神的に疲弊した。パレスチナの人々は理不尽な暴力にさらされている。私たちが声をあげなければ世界から忘れ去られてしまう。不当な人権侵害がなくなるまで、諦めずに活動を続けたい」と語りました。

 室蘭工業大学教授・清末愛沙さんは閉会のあいさつで、「引き続きパレスチナへの支援を続け、市民レベルで世論を広げ、名実ともに平和を勝ち取りましょう」と訴えました。


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