ムーヴメント

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2025年2月14日

いのちとくらしを守れ!北海道総決起集会を開催
神戸女学院大学 石川康宏さんが講演

いのちとくらしを守れ!北海道総決起集会を開催
神戸女学院大学 石川康宏さんが講演

講演する石川さん

 2月8日、札幌市共済ホールで「いのちとくらしを守れ!北海道総決起集会」が北海道社保協など4団体の主催でおこなわれ、ネット視聴含め200人を超える市民が参加。神戸女学院大学名誉教授で革新懇代表世話人の石川康宏さんが「総選挙後―SNSの活用と政治の動き」と題して講演しました。また、各分野で活動する市民団体がリレートークでたたかいについて報告。集会後、参加者が市街地をパレードして要求を訴えました。


 講演で石川さんは、兵庫県議会で不信任決議を受けて失職した斎藤元彦知事が再選した動きについて、「SNS戦略と若年層の支持によって実現したことが大きい」と指摘。特に注目すべき点として、選挙期間中に1億600万回以上のユーチューブ視聴があったことや、SNSや動画を通じた情報の拡散力の重要性を強調しました。今後の選挙について、「動画やSNSを活用することがいっそう重要になる」とのべ、若い人に任せるのではなく、すべての人が動画作成などに挑戦することを呼びかけました。

 また、軍事費を増やしながら社会保障費を削減する石破政権を批判。デンマークやフィンランドなどの北欧諸国と、日本の社会保障制度や労働環境の違いを説明し、先進国から学び、憲法に基づいて暮らしのためにお金を使うことが必要だと訴えました。

 さらに、運動組織や市民団体の会議のあり方について「一部の人が話して終わる号令一下型ではなく、すべての人が積極的に関与できる運営に変えていく必要がある」と強調。「ベテランの人もSNSに挑戦して、私たち1人ひとりが社会を変えていく力を大きくしながら、より良い社会をつくろう」と呼びかけました。


 リレートークでは、高齢者、労働者、医療・介護分野などから8団体がステージに登壇。横断幕やノボリを手に、困窮事例やたたかいの状況を報告しました。

 勤医協福祉会訪問介護定期巡回事業管理者の藤井真希子さんは、訪問介護の基本報酬引き下げが現場に与える影響について報告。人材不足が深刻化し、特に地方では介護職員の確保が困難になり、運営が難しい状況にあると強調。少ない介護報酬により事業所の経営が厳しくなり、訪問件数の増加や一部サービスの有料化を検討せざるをえない状況になっているとのべ、「処遇改善と人材確保のための具体的な施策を求め、積極的に声をあげていくことが重要」と訴えました。

 北海道勤医協・医療福祉部長の行沢剛さんは、「経済的事由による手遅れ死亡事例」について報告。札幌市では国民健康保険の保険料が高く、無保険状態の患者が増加していることや、ホームレスの救急搬送が増え、身元不明のまま亡くなるケースもあると指摘しました。こうした状況に対して道民医連では、炊き出し支援などの活動をおこない、生活困窮者支援にとりくんでいることを紹介。今後も他の医療機関やさまざまな団体と協力し、行政に対して制度の改善・拡充を求める交渉をすすめていくとのべました。

 参加者は集会後、札幌の市街地をパレードして、「いのちと暮らし優先の社会へ」と市民にアピールしました。

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