ムーヴメント
室温10度以下で暮らす人も
2025年2月28日
冬季高齢者生活実態調査 中間報告
冬季高齢者生活実態調査 中間報告
北海道民医連は毎年、冬の高齢者の生活実態を把握し、制度の改善につなげようと、「冬季高齢者生活実態調査」を実施しています。今年は1月4~31日、全道で調査を実施。中間集計の概要を報告します。
調査件数は全道で180件。年齢別では、60代が14件、70代が63件、80代は84件、90代が18件でした。世帯別では独居が121件。収入は生活保護世帯が79件、年金のみの世帯が80件でした。月収15万円以下が37件、うち5万~10万円が13件です。住居はアパートが最も多く71件、そのうち断熱対策が不十分な築40年以上の住宅に住んでいる方は28件。中には築60年の家に住む方もいました。
5人が10℃未満の環境で暮らし、18℃未満が18件となっています。多くの方が暖房費を節約し、「水道が凍らないギリギリの温度に設定している」「ストーブは消して、布団の中で過ごす」と答える人もいました。
WHO(世界保健機関)は、室温18℃以下で生活すると心疾患などのリスクが高まると警告しています。18度以上の世帯でも多くの方が夜間はストーブを消しており、健康リスクが高い環境で暮らしています。
古い家屋では床下や窓から冷気が入り、水道管凍結や低体温のリスクが高い状況です。訪問時には利用者さんの体温を確認し、低体温のリスクが高い場合には、施設入所やデイサービスの利用回数を増やすなどの対応をしています。
福祉灯油や福祉除雪などの制度がある自治体でも「利用していない」「知らなかった」という方もいます。各事業所で自治体の制度や申請方法を調べて、訪問時の声かけなどで積極的に利用を支援することが必要です。道民医連では今回の調査結果を記者発表で報告し、改善・対策を求めることにしています。