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生活保護費減額は違法

2025年3月28日

「新・人間裁判」控訴審判決
札幌高裁で逆転勝訴

「新・人間裁判」控訴審判決
札幌高裁で逆転勝訴

「逆転勝訴」の報を受けて喜ぶ原告団支援者

 生活保護費の基準額引き下げは生存権の侵害だとして、全道の当事者153人が国と自治体に引き下げ処分の取り消しを求めた訴訟(新・人間裁判)の控訴審判決が3月18日におこなわれ、札幌高裁は原告の請求を認め、減額処分を取り消しました。原告の「逆転勝訴」となる判決です。



 2021年3月におこなわれた札幌地裁判決では、「国の基準額算出に誤りがあるとはいえず、憲法や生活保護法に違反しない」として訴えを棄却。原告側が控訴しました。

 今回の判決では、「生活保護基準は、生活保護利用者の生計にかかわるものなので、暮らしの実態や統計、専門的な知見との整合性を考えて判断すべきもの。しかし、厚労大臣の判断はそれらを踏まえていない違法なもの」としました。生活保護基準引き下げによる生活保護利用者の苦しみに心を砕いた内容です。


 2012年に自民党は「生活保護基準10%削減」を掲げ、2013年から3年間で最大10%、平均6・5%(全体で670億円)の生活保護基準を引き下げました。「これでは暮らせない」と、全道の生活保護利用者が提訴しました。

 保護基準の引き下げは、何の理由もない不当なものです。これによって、40代の夫婦と小中学生の子ども2人の4人家族で月額約2万4000円もの大幅な引き下げになり、生活がままなりません。これは憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を完全に破壊します。


 現在、全国の地裁で19勝11敗と原告が勝ち越しています。高裁では今回の逆転勝訴により、4勝4敗となりました。今回の判決は、今後おこなわれる地裁・高裁判決や最高裁判決の勝利に向けて大きく影響します。


 札幌高裁判決後に報告集会がおこなわれ、吉田玄一原告団長は、「逆転判決、司法の良心が生きていたと感じます。歴史的にすばらしい日になりました。弁護団の先生や支援者、たたかいの半ばで亡くなったみなさんの思いが生み出した勝利です」とあいさつしました。

 勤医協中央病院医療福祉部長の行沢剛さんは、「ホームレス支援のボランティアへ行くと、ホームレスの方のほとんどが生活保護利用者です。この十年ほどで保護費は減額され、物価は高騰しているので生活が苦しくなることは当然です。入院・通院患者からも生保に関する相談を受けます。私たちソーシャルワーカーも署名活動やFAX抗議行動など、新・人間裁判にアクションしてきましたので、大変うれしい判決となりました。しかし、油断できない情勢は続いています」と最高裁での勝利に向けて決意をのべました。

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