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勤医協歯科  保険で歯科医療の充実を

2025年6月27日

全国で19万筆・道内1万筆の署名を提出

全国で19万筆・道内1万筆の署名を提出

 「窓口負担の重さや、保険外の治療が多いことが歯科の受診をあきらめる原因になっています。これが健康格差を広げていると感じます」。6月5日、国会内で開かれた「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」の提出集会に参加した、勤医協きたく歯科の歯科衛生士・石栗知佳さんはそう話しました。


 今回の署名は、民医連や保険医団体連合会、医療福祉生協連が中心となってとりくんだもので、全国で約19万人分、道内では1万人分が集まりました。

 1992年の「保険で良い入れ歯を」から始まった運動により、歯周病予防の保険診療が実現するなど、少しずつ改善してきました。しかし、技術が進んでも保険が適用されない治療も多くあります。

 勤医協歯科の菅原健太副専務は、「学校検診で歯並びを指摘された子どもの『矯正相談料』が保険適用になったのは前進ですが、実際の矯正治療は保険適用外で高額な負担になり、あきらめる家庭も少なくありません」と話します。

 職員たちは署名活動とあわせて、日々の診療で見えてきた生活実態を「気づき」として共有し、カンファレンスや患者支援に活かしています。「往診代の支払いを先送りしてほしい」と相談があった家庭では、電気代の滞納が続き、冬の寒い室内で生活していました。無保険で来院した方は、コロナ禍の支援制度も使い切り、仕事も見つからず返済に困っていました。

 今回の請願では、「窓口負担の引き下げ」「保険が使える治療の拡大」「歯科医療への予算の大幅増額」の3つを求めています。石栗さんは、「社会保障が改悪される中で、本当に実現するのか不安もあります。もっと政治について学び、行動しなければ現状は変えられないと思います」と話します。


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