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子ども医療費無料化を求める北海道ネットワーク総会ひらく
子ども医療費無料化を求める北海道ネットワーク総会ひらく
9月25日、「2025年度 子ども医療費無料化を求める北海道ネットワーク総会」が開かれ、オンラインを含め30人以上が参加しました。
子どもの医療費を高校生まで無料にする自治体が全国で増えるなか、北海道は全国でも最低レベルにとどまっています。同ネットワークでは「住んでいる地域にかかわらず、子どもが安心して医療を受けられる制度を」との思いから、昨年12月に「北海道の子ども医療費無料制度を高校卒業まで拡充する要請書」と、7146筆の署名を北海道に提出し、制度の改善を求めてきました。国に対しても、高校生まで医療費を無料にする制度の創設を働きかけています。
開会あいさつで河野和枝共同代表は、今年4月に施行された「北海道こども基本条例」にふれ、「命や成長・発達の権利、最善の利益、意見の尊重、差別の禁止の4つの権利を重視し、自治体の責任として子どもの権利保障を進めることが重要」と語りました。さらにユニセフの子どもの幸福度調査を紹介し、「日本の子どもの自殺率の高さや肥満率の増加は深刻。実態に即した運動を展開する必要がある」と指摘しました。
続いて、「OTC類似薬の保険外しと医療費への影響」と題し、勤医協・東区ひまわり薬局の石井智幸事務長が講演。OTC類似薬(市販薬と同成分の医療用医薬品)を保険対象外にした場合の影響として、次の4点を挙げました。
①薬代の自己負担が増える ②受診控えや自己判断による健康悪化のリスク ③若者の薬物乱用・オーバードーズの加速 ④薬の在庫不足や価格高騰で必要な人に薬が届かなくなるおそれがある。
石井さんは「地域医療が経営難に陥る中で、安心して医療を受けられる制度づくりが求められている。OTC類似薬の保険外し撤回と薬代助成の実現に向け、ともに声を上げよう」と呼びかけました。
勤医協歯科の菅原健太副専務は「札幌市の子どもの虫歯の現状」を報告。虫歯のない乳幼児が増える一方で、虫歯が10本以上ある「口腔崩壊」の子どもが少なくないことを指摘しました。『歯科酷書・第4弾』でも「経済的な厳しさが口腔状態に表れている」と報告されており、医療格差が子どもの健康にも影響していることを強調しました。
帯広市などですすむ医療費無料化のとりくみも紹介され、事務局からは2024年度の活動報告が行われました。総会では、今年度も国や北海道への働きかけを強め、子どもの医療費無料化の実現をめざす方針を確認しました。