ムーヴメント
語りあいこそ前進の力
7年ぶり 全医師会議 開催
7年ぶり 全医師会議 開催
2月14日、札幌市内で「2025年度・北海道民医連 全医師会議」が開催され、医師41人をはじめ81人が参加しました。7年ぶりの集合開催となった今回は、基調報告と9人の指定報告、グループ討議を通じて、医師不足や経営危機に直面する現状を共有し、前向きな議論が交わされました。
理事会を代表してあいさつした黒川聰則会長は、厳しい経営環境と医師不足の中で奮闘する医師に感謝を表明。「仲間との対話を重ね、互いを理解して生まれる共鳴こそ前進する力になる」と強調し、全道の医師の思いを共有する場にしたいと呼びかけました。
基調報告では、中野亮司副会長(勤医協札幌病院院長)が北海道民医連の現状と医師政策を報告。構造的な医師不足や常勤医師数の減少を示しました。あわせて、「待遇改善だけでなく、医師同士が支え合う集団づくりが不可欠」と訴え、育成方針や、働き続けたいと思える環境づくりに向けての議論を呼びかけました。
指定報告では、4法人から9人が登壇。それぞれの立場から、再建に向けた多角的なアプローチが報告されました。
勤医協中央病院の後藤まり子看護師長は、医療安全の鍵は「心理的安全性」にあると指摘。「権威勾配」(上下関係による心理的な壁)のある職場でも医師の積極的な配慮により、職種やキャリアを問わず誰もが懸念を口にできる環境をつくり、ミスの防止と働きがいにつながると強調しました。
勤医協札幌病院産婦人科の西岡利泰医師は、困難を抱える妊婦の権利を守るため、産婦人科と小児科を4月に中央病院へ移転することを報告。母子関係の形成を支える継続的支援の重要性を強調し、「産んで終わりではなく、その後も地域ぐるみで支える体制を築く」と決意を語りました。
十勝勤医協の瀬川高志理事長は、外来部門の経営難や看護師不足の深刻さを報告。「十勝で生き、年をとり、最期を迎えることに寄り添う」ために、訪問・在宅部門の拡充などで再生をめざす方針を示しました。
オホーツク勤医協北見病院の菊地憲孝院長は、医局で「フィッシュ哲学」を導入し、「心理的安全性」を意識し、弱音や違和感を共有できる関係づくりを進めていると紹介。「小さな実践の積み重ねが地域の空気を変える」と語りました。
道東勤医協釧路協立病院からは、渡邊由桂医師と澁谷仁美医師が報告。渡邊医師は、理念を語り合う場の創設や事例共有など、働きがいを可視化する5つのとりくみを提案。澁谷医師は「教育の再建」「対話する組織への転換」を掲げ、毎年医師を輩出できる体制づくりの必要性を強調しました。
勤医協中央病院の湯野暁子院長は、PDCAを徹底し病床稼働率の管理など40項目の再建プランを実行していると報告。「つながる・つなげる・学ぶ・語る」をキーワードに、持続可能な医療の実現へ責任を果たすとのべました。
報告後のグループ討議では、活発な意見交換がおこなわれました。閉会あいさつで道南勤医協の川口篤也専務理事は、「困難の中にも希望を共有できた。この活力を医局へ持ち帰り、守るべきものと変えるべきことを見極めて前進しよう」と呼びかけました。
参加者からは、「困難を共有し、対話を通じて勤医協の魅力を再発見した。来年もまた参加したい」「諦めかけていたけれど、未来への希望が見えた」「離職が頭をよぎることもあったが、参加して良かった。もう一度頑張りたい」といった決意が寄せられました。