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書籍紹介

2021年1月29日

人間使い捨て国家
明石順平 著

 筆者は弁護士でブラック企業被害対策弁護団の事務局長。厚労省の毎月勤労統計偽装事件では野党ヒヤリングに加わり、政府の詭弁を厳しく追及しました。
 本書では、日本の低賃金・長時間労働の実態を統計データで具体的に示し、その原因は法律とその運用にあると指摘。そもそも法の規制が甘いうえに沢山の抜け道があるなど、「合法的」に低賃金・長時間労働をさせられるしくみがあると説明します。
 さらに、「コンビニ=現代の小作農」「外国人労働者=現代の奴隷労働」「公務員=公営ブラック企業」など、民間企業の労働者以外にも、「人間使い捨て」が蔓延していることを指摘。
 電通が社員230人を個人事業主化したというニュースが流れました。タニタは2017年からすでに実施しています。ウーバーイーツなどのギグワーカー(インターネットを介して単発の仕事を請け負う労働者)と同様に、実質的な労働者であるにも関わらず、個人事業主化によって労働者保護法制から除外されることになります。
 財界と政府が一体となって進めてきた「働き方改革」(=働かせ方改悪)の本質と行きつく先が理解できる1冊です。(吉)【角川新書円・860+税】

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