読み物

連載 北の息吹

2017年7月13日

121 鳴き交わし

写真家 中島宏章


 タンチョウ夫婦が鳴き交わしています。オスが「クーッ」と鳴き、そのオスの声が終わるか終わらないかのタイミングで間髪入れずにメスが「カッカ」と合わせます。明治時代に絶滅寸前まで減少しましたが冬の間の給餌に成功し、今では軽く千羽を超えています。

 今も昔もタンチョウの好物は「トウモロコシ」で、冬の給餌場でも飼料用コーンが大量にばらまかれます。地面に落ちたコーンをタンチョウたちはついばみます。

 給餌のおかげでタンチョウは絶滅から救われましたが、今度は困ったことが起きはじめました。冬以外もタンチョウはコーンを求めるようになったのです。せっかく春に植えた畑のコーンを食い荒らしてしまうのだそうです。

 しかし、タンチョウにしてみれば給餌場も畑も、ただ地面に落ちているコーンを食べているだけ……。もしタンチョウ語が話せたら、ちゃんと説明をしてあげたいものです。

連載:北の息吹