読み物

書籍紹介「ポスト真実」の時代

2017年8月10日

津田大介・日比嘉高 著

 安倍首相は世界に向けて、「福島第一原発事故は完全にコントロールされている」と胸を張った。オスプレイが墜落したとき、防衛大臣は「不時着」と言い、南スーダンの戦闘状態は隠ぺいされ、「無い」と言っていた行政文書が発見された。イギリスのEU離脱国民投票やアメリカ大統領選挙でも虚偽の情報が拡散され、国民の最終判断が歪められたのかもしれない。

 世界的に事実に基づかない主張、情報がまかり通る政治がある。この事態を「ポスト真実の政治」と呼ぶ。以前から政治には、確実にウソが存在した。しかし今、政界やマスコミだけでなく、ブログやツイッターなど、関心をもつすべての人がウソの発信基地となることが可能な社会ができあがった。発信された情報はとてつもないスピードと規模で世界を駆け巡る。

 瞬時に「真実」は歪められ、上書きされた「ウソ」が独り歩きをはじめる。何が正しく、何が偽りの情報なのか。本書は、このような社会に生きることを前提として、一人ひとりの人間が何を自覚し、どのように向き合うべきか問題提起している。(德)【祥伝社・1500円+税】

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