読み物

書籍紹介

2017年9月28日

「日本社会の歴史」
歴史教育者協議会 編集

 クイズをひとつ。150年前に生まれ、世界的ベストセラーとなった本とは?。その答えは「資本論」。1867年にマルクスが著したこの本は、「資本主義」を人類の歴史から導き出し、次なる時代の誕生を科学的に予見した。だが、今回紹介する書籍は「資本論」ではない。
 「資本論」が著されたときは「パリ万博」が開催されていた。日本では徳川慶喜が「大政奉還」を決断し、江戸時代が終焉しようとしていた。私たちは学校で歴史の授業を受けた記憶がある。しかし多くの人にとって、ある時代のある瞬間に活躍した人や大きな事件、出来事を暗記する「退屈な科目」だったのではないか。人類が誕生して以降、引き継がれてきた「時間」という視点で歴史を考えることはなかったのではないだろうか。
 本書の体裁はまさに歴史の教科書である。しかし、名もなき人類が精一杯生きてきた時間が、時々の必然として描かれている。この本、秋の夜長に高校生に戻った気分で読んでみてはどうだろうか。(德)

【大月書店・各2500円+税】

読み物シリーズ・講演