読み物

書籍紹介

2017年11月9日

未来の年表
河合雅司 著



 「あと3年で日本に住む女性の半分は50歳以上になる」といわれて納得する人は少ないが、国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口」(2017年)の予測である。「少子高齢社会」という言葉は一般化している。だが、その本質、日本がこれからどのような社会になっていくのかをイメージできる人は少数だ。
 「保育所増設や子育て手当の充実で少子化をストップさせます」などと政策を語る政治家は多いが、出産可能な年齢層が激減する日本は、少子化社会からの脱出がきわめて困難である。「高齢化に歯止めをかける」といっても、これから数十年にわたり高齢化していく人口を消すことなど不可能なのだから、この問題の回避はむずかしい。
 本書は、公的機関から発表されたデータに基づく日本の未来「年表」である。人口減少、とりわけ若年層の減少は企業の担い手不足を生み、高齢者の増加により認知症患者がまちに溢れることが予測される。のん気な政治家にこの国を委ねるわけにはいかない。私たちは、確実に訪れる日本の現実と対峙する覚悟が必要だ。(德)【講談社現代新書760円+税】

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