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書籍紹介

2017年12月7日

戦争の大問題
丹羽宇一郎 著

 「戦争を知らない子どもたち」という歌を知っているだろうか。1970年8月の大阪万博のコンサートではじめて歌われたとか。戦争が終わって70余年、日本の子どもたちはこの歌を自分の「いま」として歌い続けてきた。しかし最近は、「あの国を叩き潰さなければ安心して眠れない」と真顔で話す評論家も登場している。
 元中国大使の丹羽宇一郎氏が、軍事や戦争に対する疑問を戦争体験者や軍事・安全保障の専門家に問い、戦争の本質を尋ねていく。
 戦争末期の満州、極寒のシベリア、フィリピンの山中で、いったい何があったのか。「戦争」という大義名分の下で、戦争の体験者から語られる事実は衝撃的だ。元総理大臣であった田中角栄の言葉が紹介されている。「戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」。
 私たちは歴史の分岐点に立っている。戦争が終わって9年後に生まれた総理は、日本を戦争から守り続けてきた「憲法9条」を変えようとしている。いまの私たちにできることは何か。戦争になれば、平和運動はできないのだから。(德)【東洋経済新報社・1620円+税】

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