読み物

連載 北の息吹

2018年1月1日

132 日本犬は天然記念物

愛らしい北海道犬の子犬たち

写真家 中島宏章


日本犬
 2018年の干支は「戌」ですね。昨年はトリで、その前の年はサルでした。このトリオを従えて鬼退治に行くのが、桃太郎のお話です。桃太郎が連れていたイヌの犬種は何だったと思いますか?これは、あくまでも想像でしかないですが……きっと柴犬や秋田犬のような日本に古くからいる犬でしょう。
 日本犬にはたくさんの種類がありますが、6種が国の天然記念物に指定されています。大型犬の秋田犬、中型犬の北海道犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬(土佐犬)、そして小型犬の柴犬です。かつて、越の犬(こしのいぬ)という北陸地方(越前・越中・越後)原産の犬種も天然記念物に指定されていましたが、今では絶滅してしまいました。日本で飼われている日本犬の8割を柴犬が占めているといわれています。確かにサイズ的にも性質的にも、柴犬が一番飼いやすいのでしょう。
 ここで、僕が勝手に認定した日本の三大著名犬をあげてみましょう。まず、あまりにも有名な忠犬ハチ公は、秋田犬です。それから、ブサイクだけど憎めない可愛さで有名な「わさお」は秋田犬の長毛種。某大手携帯電話会社のCMで白戸家の「お父さん」を演じているのは北海道犬ですね。
 北海道犬は別名アイヌ犬。とてもがっしりした体格です。以前、北海道犬の親子に会ったことがあります。子犬の愛くるしさ、そして母犬の優しい表情がとても印象的でした。

天然記念物って何?
 そういえば、そもそも天然記念物とは何でしょうか?ようは、文化財保護法によって国(文化庁)や地方自治体によって指定されたものが天然記念物です(たいてい単に天然記念物といえば、国指定のことを指します)。文化庁では「動物,植物及び地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの」としています。生物そのものだけではなく、その生息地なども含めて指定し、保護することの出来る制度で、特に世界的・国家的に価値が高いものは「特別天然記念物」として特別に保護・保全が図られています。

北海道の天然記念物
 もちろん、北海道に生息する野生動物にも天然記念物がおります。特別天然記念物のタンチョウをはじめ、シマフクロウ、オジロワシ、オオワシ、クマゲラ、マガン、ヒシクイ、コクガンなどが天然記念物に指定されています。タンチョウ、シマフクロウ、オオワシは世界的に限られた地域に生息する希少な大型鳥類で、タンチョウとオオワシはその美しい姿が海外で大変人気があります。「さおになり、かぎになり」のマガンの群れが織りなす神秘的な渡りの様子は古くから日本人の心に刻まれています。いずれも甲乙つけがたい日本の貴重な財産と言えましょう。

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