読み物

書籍紹介

2018年3月22日

通じない日本語
窪園 晴夫 著

 居酒屋での会話。若者が大きな声で「この〆鯖、やばい」「マジで超やばいよね」―――。
 びっくりしてしまう。「やばい」というのは、彼らにとって「美味しい」という意味なのだ。私に「やばい」が褒め言葉というイメージはない。時代の中で新しい言葉が生まれ、使い方や意味が変化していく。時には死んでしまう言葉もある。
 本書は、日常的に私たちが話す日本語にスポットライトを当て、世代差と地域差から言葉の変化を紹介する。英語の「NOW」は1970年代、《新しい、いまどき》という意味の「ナウな」という言葉に突然変異し、80年代には「ナウい」という人気者の言葉に昇格した。しかし、いまは絶滅危惧種。使うと恥ずかしい言葉になっている。
 子どもが沢山いた時代には兄弟がいて、そのこども同士の関係を「いとこ」と言った。しかし少子化の中で一人っ子世代が増加すると「いとこ」という存在も言葉も消えるだろう。殺伐とした世の中が続くようでは、「弁える」という言葉もなくなってしまうのではと思う。「何と読むのか、わからない」って?答えは「わきまえる」です。(德)【平凡社新書842円+税】

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