読み物

書籍紹介

2018年5月31日

岩本 努 著
13歳からの教育勅語

 森友学園がマスコミに登場したとき、幼稚園児が「教育勅語」を暗唱したり、斉唱する映像がマスコミをにぎわした。「洗脳」という言葉とともに不快な気分になった。戦後日本が葬り去った「教育勅語」を政府は、「憲法や教育基本法に反しないような形で教育に関する勅語を教材として用いることまで否定しない」と閣議決定した。
 本書は、「教育勅語」がどのような社会で成立し、教育現場でどのように取り扱われたのか、明治憲法下の日本国民の姿を重ねながら異常な日常生活を描く。「勅語」とは天皇の言葉、「教育勅語」は「教育ニ関スル、天皇ノ命令」だ。「主君(天皇)に仕える家来である」臣民は、父母に孝行を尽くし、兄弟姉妹仲良くし、誰に対しても礼儀を守り、もし国に事変がおこったら勇気を奮い一身をささげて国のために尽くせ」と「教育勅語」は説く。
 日本国憲法の誕生とともにその存在意義を否定された「教育勅語」。改憲策動とともにその亡霊を蘇らせようとする輩たちの誤った時代認識をけっして許さない。(德)【かもがわ出版・1600円+税】

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