読み物

書籍紹介

2018年6月14日

日本の戦争
歴史認識と戦争責任
山田 朗 著

 「あったことをなかったことにはできない」と言ったのは前川喜平前文科事務次官。日本を再び戦争のできる国へ逆戻りさせたい輩たちは、都合の悪い日本の歴史はすべて「なかったこと」にしたいらしい。現在を「明治150年」と位置づけ、日清戦争、日露戦争を成功体験だと主張し、当時の国家を支えていた明治憲法がすばらしい日本人を生み育んだと主張する。最終的には太平洋戦争も中国侵略もアジアの人民のための「聖戦である」と、彼らのめざすゴールへひた走ろうとしている。彼らのウソは繰り返す度に新たなウソが必要となり、歴史は歪め続けられてきた。
 本書は、1890年代から終戦まで日本の戦争行為を事実に基づき検証し、日本がアジア地域で誰を犠牲とし、どんな罪を犯してきたのかを検証している。「あったことをなかったことにはできない」。私たちは、歴史を都合よく解釈する者、事実を無視する者を許してはいけない。憲法九条改憲をめぐる情勢は激化している。多大な犠牲と引換えに私たちは日本国憲法を手にした。その意義をいま一度、問い返す時を迎えている。(德)【新日本出版・1600円+税】

読み物シリーズ・講演