読み物

書籍紹介

2018年7月12日

私物化される国家 支配と服従の日本政治
中野 晃一 著

 お馴染みの時代劇。悪徳代官と越後屋が悪巧みの相談。そっと差し出される賄賂に、「俺に任せておけ」と笑みを漏らすお代官。そこに登場する正義の味方。テレビの向こうでは、「待ってました」の声。悪党たちが成敗されて「めでたし、めでたし」。そんな健全な日本は、どこかに行ってしまったようだ。
 安倍晋三首相と昭恵夫人の関わりがなければ成立しなかった森友・加計学園疑惑にはじまり、立憲民主主義と憲法を蹂躙する政治は、特定秘密保護法、戦争法、共謀罪などの悪法を成立させ、小中高の学習指導要領を変え、「戦争できる国づくり」「国家に奉仕する国民づくり」をめざし、日本という国と政治を私物化している。
 本書は、安倍晋三という政治家の哲学、政治姿勢そして、その行き着く先を示す。さらに自由民主党という政党の本質や日本の官僚制、そして新自由主義的政治を支える財界とマスコミとの関係など、日本の政治構造が解明されている。正義の味方はどこにいるのか。この国で、生きていかなくてはならない、私たちが正義にならなければいけないのだが。(德)【角川新書・820円+税】

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