読み物

書籍紹介

2018年8月16日

右派はなぜ家族に介入したがるのか

中里見博・能川元一・打越さく良・立石直子・笹沼弘志・清末愛砂 著

 憲法9条改憲NOの運動が大きく市民権を獲得しようとする中、改憲推進派の動きも新たな広がりをつくろうとしている。朝鮮半島の劇的な情勢展開の中で、改憲の意義を9条と合わせて24条の改正に求めようとしている。憲法24条は、婚姻の成立要件や家庭における個人の尊厳と両性の本質的平等を規定している。
 しかし、改憲論者の多くは声高に主張する。現憲法の「行き過ぎた個人主義」が非婚化・少子化という深刻な社会問題を生み・家庭内暴力や「引きこもり」の原因になっている。日本国民すべてが家族を大切にすること、そして日本という国を家族の如く慈しみ、愛国心をはぐくむ新しい憲法が必要だと。
 本書は、「大変地味な存在である」ところの憲法24条にスポットライトを当て、その理念が多様な支配、服従関係、暴力からの解放であり、非暴力主義=日本国憲法の平和主義を支えるものと論じている。愛する人への慈しみの心、かけがえのない家族愛が、知らぬ間に改憲策動の標的にされようとしている。(德)【大月書店・1600円+税】

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