読み物

連載 北の息吹

2018年8月30日

148 渦蜘蛛

写真家 中島宏章


 グルグルと渦巻いているこれは何だと思いますか?これは、クモの巣なんです。ウズグモ(渦蜘蛛)と呼ばれる種類のクモはその名の通り、自分の巣網に渦巻状の模様を付けるのです。クモ本人はこの渦巻の中心に隠れているので、この模様のことを「隠れ帯」と呼びます。
 クモは隠れ帯をなぜ作るのか?それには諸説あるようです。外敵に見つからないように、文字通り隠れるため、という説。あるいは、隠れ帯が紫外線を反射することにより、クモの餌となる虫が網に寄ってくるんじゃないか、という説。いずれも、たかがクモとはいえ、どうしてこんな不思議な模様が生まれるのか、とても興味深いですよね。
 自然界の産物が織りなす造形というものは、微細なものにこそ、宇宙が宿っているように思えてなりません。この渦巻もまるで、銀河系のようではありませんか。思わずのめり込むように見入ってしまう魅力があります。

連載:北の息吹