読み物

書籍紹介

2018年9月27日

手塚マンガで憲法九条を読む
手塚治虫 著 解説:小森陽一

 マンガだから描くことができる世界がある。マンガでしか伝わらない思いがある。明子ねえちゃんが言った「青春には安全な株を買ってはいけない」(巨人の星)、安西先生が言った「あきらめたらそこで試合終了だよ」(スラムダンク)など、その後の生き方に大きな影響を及ぼし続けている言葉であり、あの一コマを忘れることはない。そんな意味で本書は、すべての世代の人たちに読んでほしい。
 ベトナム戦争以降、手塚治虫氏が、憲法9条、戦争と平和、生命の尊さをキーワードに執筆した短編マンガ集である。作品解説は全国「九条の会」事務局長の小森陽一氏。1970年代、80年代の「時代の憂いと危うさ」を敏感に感じとり、警鐘として作品を送り出した手塚治虫氏の日本国憲法への深い理解と尊敬、クリエーターとしての才能や政治的感性の高さに驚嘆させられる。「戦争になったら反戦活動はできない」と、誰かが言った。収録されたマンガたちがいま、私たちの生きる時代が歴史的岐路にあることを教えてくれる。(德)【子ども未来社・1620円+税】

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