読み物

連載 北の息吹

2018年12月13日

154 魚にも蒙古斑がある

154 魚にも蒙古斑がある

写真家 中島宏章


 ヤマメの綺麗な斑紋。これはパーマーク(幼魚班)と呼ばれる暗青色の模様です。サケ科の幼魚が持つ特徴で、成熟する頃には消えてなくなります。まるで人間の赤ちゃんのお尻にある青い蒙古斑のようですね。ちなみにこの蒙古斑、日本人の90%に現れるようですが、白人では稀なため、欧米では蒙古斑自体を知らない医師も多いそうで、虐待によるアザと間違われることもあるとか。
 「ヤマメとサクラマス」、「イワナとアメマス」、「ヒメマスとベニザケ」は、それぞれ同じ種の魚のことで、一生を川や湖で過ごすのが前者、海へ下って成熟すると戻ってくるタイプが後者です。パーマークは幼魚の特徴とはいいましたが、海へ下らないで川に残留するヤマメは、成熟してもパーマークが消えません。俗に言う童顔ということになりますか?いずれにしても、蒙古斑と同様に模様には個性があるそうで、個体識別に用いることができるそうです。

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