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書籍紹介

2018年12月13日

「明治礼賛」の正体
斎藤 貴男 著

 「もういくつ寝るとお正月」という時期となった。今年は、1月1日に公表された安倍首相「年頭所感」の「本年は明治維新から150年の節目の年です。(略)未来は私たちの手で変えることができるのです。(略)150年前の先人たちと同じように未来は変えられると信じ、行動を起こすかどうかにかかっています」との号令で年が明けた。「明治礼賛」する安倍首相の政治姿勢が示された。
 「明治150年」とは、明治維新を経て「戦争をする国」として国民に苦難を与え続けた77年と日本国憲法とともに「戦争をしない国」として歩んだ73年の歴史の合計ともいえる。「明治150年」が終わろうとする時、あらためて戦後日本の歩みと未来へ何を遺産とするのか考えるときかも知れない。
 本書は、政府主導の「明治礼賛」キャンペーンの政治的背景や、日本人が帝国主義の下でどのように生きてきたのか、歴史の真実を語っている。憲法改正、戦争する国づくりをすすめる安倍首相がめざす「富国強兵・殖産興業」とは何か、彼の見る「坂の上の雲」を知ることができる一冊。(德)【岩波ブックレット 580円+税】

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