読み物

書籍紹介

2019年1月24日

憲法の良識 「国のかたち」を壊さない仕組み
長谷部 恭男 著

1月4日、安倍晋三首相は記者会見で憲法改定に関する記者の質問に対し、「改憲議論は選挙で負託を受けた国会議員の責務」と主張した。しかし、国会議員の責任は憲法99条が定めるように憲法を守ることだ。

 安倍首相は昨年、国民世論と大きな運動の中で「憲法審」での自民党改憲案提示を断念せざるを得なかったはず。懲りることもなく、憲法理念を捻じ曲げて改憲への強い執念を表明する姿勢は狂気の沙汰だ。

 今年は2つの大きな選挙が予定されており、日本国憲法のあり方が問われることとなる。私たち一人ひとりが日本国憲法を学び合い、自分の言葉と行動で憲法を守る1年にしたい。本書は3年前、「憲法審」の場で安保法制案を「憲法違反」と主張した憲法学者、長谷部恭男氏の日本国憲法の入門書だ。

 憲法はゴールではなくスタートラインを示している。たとえば憲法第25条は「文化的最低限度の生活」保障を謳うが、その水準は私たち国民が決める。「豊かさ」とは何か、国民の良識が問われているのだ。主権とは、象徴天皇とは、平和とはさあ、みんなで考えよう。 ()【朝日新書720円+税】

読み物シリーズ・講演