読み物

書籍紹介

2019年3月14日

「ごきぶりホイホイ」の生みの親 大塚正富のヒット塾
廣田章光/日経ビジネススクール編著

 アース製薬元社長、大塚正富氏を知っている人は少ない。しかし、「オロナイン軟膏」「「ごきぶりホイホイ」「オロナミンC」「アースノーマット」などの商品は、彼が開発した製品であり、いずれもロングセラーヒット商品として国民生活に浸透した。
 本書は、大塚正富氏の武勇伝ではなく、マーケティング理論の観点から彼が生み出したヒット商品を分析する。「オロナイン軟膏」は殺菌作用を高めることで、それまで家庭に常備されていた塗り薬との差別化に成功し、新しい「万能薬」としての地位を確立した。「ごきぶりホイホイ」は、欠点であった「捕獲した害虫の処理」という点に着目し、紙製の商品を害虫といっしょに廃棄する方法を生み、爆発的な人気を得た。
 大塚氏の仕事の原点には消費者があり、感動を提供したいという情熱があることがわかる。私たちがとりくんでいる予算編成も「患者、利用者に何を提供できるのか」「その満足のために何が足りないのか」という点から考えてみてはどうだろう。(德)【日本経済新聞社出版社・1500円+税】

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