読み物

連載 北の息吹

2019年4月11日

161 パイオニアツリー

161 パイオニアツリー

写真家 中島宏章

 水田の脇にはえるシラカンバの木です。シラカンバとは、いわゆる「白樺(しらかば)」のことです。北海道では大変に馴染みのある木ですよね。白くて美しい木肌は清らしい北海道原風景のイメージをもっていますし、春の樹液を採取して、飲んだり、料理に使ったりして楽しむ人も最近では増えてきました。
 このシラカンバ(正式な和名は「シラカバ」ではなく「シラカンバ」です)は、パイオニアツリーと呼ばれています。パイオニアとは、あのオーディオメーカの……ではなく、先駆者、開拓者ということで、つまり、木のないところに誰よりも先にやってきて根を張る木、という意味になります。シラカンバのほかには、ヤナギの木もパイオニアツリーと呼ばれます。
 北海道というのは、この広大な大地を切り拓いた開拓の歴史でもあるでしょう。そういう意味でもシラカンバは北海道のイメージにピッタリなのかもしれません。

読み物連載:北の息吹